赤見温泉
エリアガイド

栃木県佐野市出流原町。
出流原弁天池は、環境省認定の名水。
栃木県指定の天然記念物であり、出流川の源でもある。その池の水の清らかさは、ほとりに立って覗き込めば一目瞭然。
水中で優雅に泳ぐ鯉の姿、そのうろこの輝きまで、そして水底でゆらめく緑の植物までもがこの目に映る。
池から発する荘厳な空気は、ここへ訪れないと感じられない。湧き水を持ち帰りたい場合は、隣のホテル一乃館の脇へ。何度も足しげく通う県外のファンも多い。
池のそばにある鳥居の向こうは、天歴2年(948年)に藤原秀郷が創建したものと伝えられている磯山弁財天へと繋がっている。幾度かの火災に見舞われたが、鎌倉時代に再建された現在の本殿は、なんと「釘を使わない」という昔日の力学工法の建築美を、今に伝える珍しい文化財。山門から登る途中にある「風穴同」で顔をそっと近づけると、ひんやりとした風邪が頬を撫でる。悠々しい姿の朱塗りの弁天堂に足を踏み入れれば、はるか下界を望む美しき景観。出迎えてくれた白蛇様に手を合わせ、静かにさすってみた。関東平野から吹く清々しい風が駆け抜けてゆく。頭を垂れ、手を合わせ・・・。古き良き文化財と現代の風景を、山腹から堪能してほしい。

出流原弁天池湧水

出流原弁天池湧水

栃木県指定天然記念物であり、環境省が選定する名水百選の一つ。古生層の石灰岩を溶解してできた洞穴から湧き出ている清水によって作られた池。湧水量2400立方メートル/日、水温16度と安定した清水が池を形成し、出流川の源となっている。水は養魚場、公園、また下流では農業用水に利用され、地域の人々に親しまれている。
そしてこの池には黄金埋蔵にまつわる「朝日長者」の伝説もある。・・・子に恵まれなかった長者夫婦が出流弁天に願をかけてできた女の子が、18歳で行方不明となる。その時神が霊示したことは、姫は弁天池の鯉となっており、竜神となるには莫大な財宝がいるとのことだった。長者夫婦は娘のために、と後山に財産を埋め「朝日さす夕日輝く木の下に、うるし干ばい黄金億々」と歌を残しているそうだ。
この話は、佐野市民が最も好んだ伝説の一つだと言われている。

磯山弁財天

磯山弁財天

もともと弁財天は水に縁が深く、水神として池や河の近くに祀り、蛇に因む神話が多いとされている。この磯山弁財天も昔は弁天池の中の小島に祀ってあったものを、現在地に奉安したといわれ、山腹に安置されている弁天様は、日本でもここが唯一。
また、ご本尊は羽衣風の衣装をまとった八本の手を有した天女のような弁財天で、頭上に白蛇にまかれた宇賀神像を拝し、地球上のあらゆる物を司る菩薩様方が16人の童子になぞられ、それぞれのお支度で一団となり、弁財天のご指示をお待ちするかの様な姿で御厨子に安置されている。五穀豊穣、家内安全、商売繁盛の他、あらゆる信仰の対象の神として今日に至っている。
 

磯山弁財天 ご朱印について

御朱印帳を「一乃館」にお持ちになると、御朱印が頂けます。
御帳面をお持ちでない方には、あらかじめご用意いたしております紙面にてお渡し可能です。
佐野七福神巡り専用色紙の販売、七福神巡りのマップもありますので、お気軽にどうぞ。

アクセス

★JRをご利用の場合

JR宇都宮線・東北新幹線
小山駅乗り換え
→両毛線佐野駅下車
→タクシーで約20分

★東武電車をご利用の場合

東武伊勢崎線浅草駅より
特急りょうもう号で約70分
→足利市駅下車
→タクシーで約25分